ブリアリはお好き
PEOPLE
周りの女の子たちが正統派男前のジャン＝ピエール・レオが格好いいという中、私はちょっとあくが強くて頼りのなさそうなブリアリが特に好みだった。
彼の出演作品の中で特に好きなのは、セルジュゲンズブール、アンナ・カリーナも出演しているピエール・コラルニック監督のミュージカル映画『ANNA』。
数あるブリアリ出演作品の中で、他にも素晴らしい映画は沢山あるけれど、敢えてこの作品をお勧めしたい。
というのは、ブリアリが拗ねたり、怒ったり、悲しんだり、喜んだりと様々な表情を繰り出し、女心をくすぐるような演技をしているからである。
この映画を観ることでブリアリのアイドル的な良さを理解してもらえるはず。
ポップでコミカルな演出と、素晴らしい音楽。
60年代の独特のカラフルな色彩、ミュージカルであるこの映画の音楽は全てセルジュ・ゲンズブールが手がけている。
物語は、広告会社の社長セルジュ（ブリアリ）が撮影の際写り込んだ、眼鏡をはずしたアンナ（アンナ・カリーナ）の写真を見て、一目惚れをすることで始まる。
彼女を探すため、街中に朧げな彼女の写真を貼り、探偵を雇い探し出そうとするが見つからない。
アンナは自分の写真が街中に貼り出される中、セルジュの会社の色彩部で働くことになるが、正体を黙ったまま日々を過ごす。
苛立ち悲しむセルジュを、親友の男（セルジュ・ゲンズブール）がからかい、そして助言もする。
この映画に出てくる俳優はとにかく素晴らしいキャスティング。
子供のように恋愛し翻弄されるブリアリに、チャーミングでツンデレなアンナ、イヂワルでセクシーなゲンズブール、ロリータだけど大人な雰囲気でブリアリに近づくマリアンヌ・フェイスフル、その他にもオシャレでカッコいい登場人物が沢山出てくる。
皮肉たっぷりにゲンズブールにいぢめられ、拗ねたり怒ったりするブリアリとのやりとりはみもの。
